人事制度の全体像

人事制度は上図の（１）等級制度、（２）人事評価制度、（３）賃金制度の3つの要素が中心となって構成されています。
また、人事評価制度は従業員の能力開発・育成、昇進・昇格、配置・異動にも活用されます。
ここでは（１）～（３）の要素について簡単に解説します。

等級制度は、従業員の能力レベルや役割を基準に設定された等級に基づいて、賃金や社内での位置づけを決める制度です。
等級制度は人事制度の根幹をなすものです。代表的な等級制度としては以下の３つの制度があります。
①職能資格等級制度
　能力を基軸としてその発展段階により等級区分する制度です。
②役割等級制度
　役割の大きさ、すなわち役割の重要度等を基軸にして等級区分する制度です。
③職務等級制度
　職務（仕事）を基軸にしてその価値の大きさ等によって等級区分する制度です。

※当事務所制作のソフト賃金クリエイターは職能資格等級制度基軸にした職能給設計と役割等級制度又は職務等級制度を基軸にした役割給設計、そして職務給設計の3種類を用意しています。

人事評価制度は、自社で採用している等級制度に基づいて個々の従業員の能力の保有度・発揮度、役割の達成度や仕事の出来栄え・成果等を評価する制度です。

※当事務所制作の人事評価ソフトは役割等級制度をベースにしています。
ただし、評価要素や評価項目の字句の表現を変更すれば職能資格等級制度を採用している場合でも使用可能です。

賃金制度は、等級制度と人事評価制度をベースにして賃金が決定される制度です。
従って、賃金制度を構築するのには等級制度と人事評価制度があることが前提になります。
ただ、等級制度と人事評価制度は最初から詳細に作る必要はなく、シンプルなもので運用を始め運用しながら改善していくことをお薦めします。

賃金制度には、様々なものがありますが主なものとして次のものがあります。

①職能給
　職能資格等級制度をベースにした賃金制度

②役割給
　役割等級制度をベースにした賃金制度

②職務給
　職務等級制度をベースにした賃金制度